アンドレアのマンマから〜故郷の味

barmariko2006-01-09


LA CUCINA DI MAMMA DI ANDREA

言わずもがな、友人アンドレアは南イタリア、プーリア州サン・セヴェーロ出身である。どこの国でもそうだが、「マンマの味が1番」は南イタリアともなるともはや宗教的である。とはいえ確かに美味いのだから仕方ない。それに頼るばかりのマザコンくんたちは許しがたいものがあるが、そのマンマの味を復興することに命を燃やしてくれるアンドレアは、我々のお腹にとって強い味方である。

写真の手前左は「ポモドーリ・セッキ=干しトマトのオリーブオイル漬け)」この美味しさは、本当に食べた者にしか分からない。夏の暑い日に、マンマが摘みたてトマトに塩を振り、天日に干してからオリーブオイルと鷹の爪に漬け込んだもの。これぞ南イタリアの味である。そのままかじれば、冷たい白ワインにぴったりの前菜に。細かく切ってルッコラモッツァレッラチーズと和えればブルスケッタの具に。

手前右は「メランツァーネ・ソット・オーリオ(ナスのオリーブオイル漬け)」これはオリーブオイル漬けというよりは酢漬けである。細切りにしたナスをたっぷりの白ワインビネガーに漬け込み、よく漬かったらビネガーをしっかり取り除く。その後、微塵切りにしたニンニク、イタリアンパセリやセージなどと一緒にオリーブオイルに漬け込む。このあわせ方はマンマによって違うのだとか。ちょっとしたワインのつまみとして食べたり、どうも野菜が足りないなあというとき、お肉の横にちょこっと添えたり。

後ろに聳え立つ2本はそう、「ミネストローネ(たっぷり野菜と豆のスープ)」これもマンマによって具が違ってくる。アンドレアのマンマは、セロリ、ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ、ズッキーニ、白いんげん豆で作る。ざくざく切って全て圧力鍋に放り込み、20分もすれば出来上がる。野菜と豆の美味しさを凝縮した、大地の恵みである。3人の息子たちが帰省するたびに、マンマは鍋いっぱいにこのミネストローネを作り、バカンスを終えてまたそれぞれの地方へと出発するとき、瓶詰めにして持たせてやるのだ。

アンドレアのお母さん、すみません。あなたが息子のためにと思って持たせたこれらの品々、実はわたくしが殆ど平らげてしまいました。大変おいしゅうございました。