ツナとケッパーの大人味パスタ

barmariko2005-09-09

LA PASTA AL POMODORO CON IL TONNO
ある日親友アンドレアと食料の買出しへ行った。ワインやら、ハムやら、野菜やらをわんさと抱えてバスに乗る。降りたところで、たまたまあるニッポンジン女性が立ち話をしていた。それを見て声をかけるアンドレア。「チャオ!ユーコじゃないか!奇遇だなぁ。紹介するよ、こちらはマリコ。」「あ、初めまして〜」

彼女はアンドレアの家から歩いて10分ほどのところに住むユーコさんという女性だった。7月からペルージャ外国人大学へ通っている、ニューフェイスである。あっという間に立ち話を始めるわたくしたち。それを見たアンドレアはこう言った。「ねえ、どうして君たちこのまま僕の家にランチしにこないんだい?立ち話もなんだし・・・それにもう13時過ぎてるよ。今買ったオルヴィエート・クラッシコ(ウンブリア州の定番白ワイン)も冷凍庫へぶちこめば1時間後には何とか飲めるしね。」反対するわけがない。いやぁ〜いつも、いつも、悪いねぇ、アンドレア。

アンドレアの家へ到着し、わたくしとユーコさんはキッチンへどっかり腰をおろし、お喋りに花を咲かせる。そしてアンドレアは黙々とランチの準備を始める。「時間がないから、あるもので適当に作るよ。ツナのトマトソースパスタでいいかな?」「勿論!ちょっと辛めがいいなー!」「ダッコルド(了解)」

ともすればうっかり日本語だけになってしまいそうな勢いで、知り合ったばかりのわたくしとユーコさんは話し続ける。はっと気づいて時々イタリア語に戻す。アンドレアが口も挟めずひたすら料理の準備をすることになるからだ。それにしても。どっかり腰をおろす2人のニッポンジン女性。その二人のためにランチを作るイタリア人男性。なかなかよろしい図ではないか。ま、たまにはこんなのもアリだろう。
あっという間に美味しい美味しい定番のツナパスタが出来上がった。(写真)ピリッとした辛味がきいて、冷えたオルヴィエート・クラッシコともピッタリである。さらに続けるアンドレア。「昨日作っておいたクレープの生地があるんだけど、よかったらどう?具は・・・そうだな、チョコレートソース&バナナか、マスカルポーネチーズ&干しブドウ、ってとこかな?どっちがいい?」ありえない尽くしようである。とはいえ、彼はあくまでも素であり、これは性格なのだから、遠慮などしてお断りしてはいかんというものである。

さて、今回アンドレアが作ってくれたツナ入りトマトソースパスタは、超定番の味である。ツナ、トマトソース、玉ねぎだけのシンプルレシピである。今回は、これにちょっと隠し味を加えた大人味の、より白ワインに合うレシピをご紹介したい。

ツナとケッパーの大人味パスタ(2〜3人分)
材料:ホールトマト1缶、ツナ大1缶、ケッパー大さじ1〜1.5、赤唐辛子適量、玉ねぎ4分の1個、オリーブオイル、塩、パスタ(ショートパスタでも、ロングパスタでも何でも可)

  1. 鍋にいっぱいの湯を沸かし始める。
  2. フライパンにオリーブオイル、玉ねぎの微塵切り、赤唐辛子をいれ、弱火でじっくり炒めて香りを出す。
  3. ケッパーを荒微塵切りにして、2のフライパンに加える。
  4. ホールトマトを1缶加え、木べらでよく混ぜながら煮詰める。
  5. 鍋の湯が沸騰したら、たっぷりの塩を加え、パスタを茹でる。(ここでソースと同時進行になる)
  6. フライパンのトマトソースが煮詰まってきたら、パスタの茹で汁を少し加える。
  7. 最後にトマトソースの中にツナをいれ、さっくり混ぜ合わせる。塩で味を調える。1〜2分火を通したらOK。
  8. 茹で上がったパスタをよく水切りし、フライパンへいれる。ソースとよく絡めて出来上がり。

ポイントはケッパーである。この丁度良い酸味が深い味わいをもたらし、ツナとも非常によく合うのである。騙されたと思ってお試しください。尚、以前「ツナのパスタに絡んだ”神様に謝れ事件”」について書いたことがあったが、非常に反響が大きくてご丁寧にもメールで感想を下さった方が何人かいらっしゃった。というわけで、その模様はこちら!id:barmariko:20050718