チッタ・デッラ・ピエーヴェの友達2

barmariko2006-09-04


さて、写真左がウンベルト氏、右がかの有名な(?)わたくしの大切なお友達アレッハンドロさん(登場人物参照)である。今回、ペルージャから車で40分のチッタ・デッラ・ピエーヴェまで喜んで車を出してくれたのが、彼なのだ。というのもアレッハンドロさんはチッタ・デッラ・ピエーヴェの「ホテル・バンヌッチ」のアメリカ人オーナーと知り合いであり、その流れでウンベルトとも仲良くなり、さらにはチッタ・デッラ・ピエーヴェのテアトロ(劇場)のカメラマンとしても活躍し・・・とこの街に住んでいないにも関らずいつもの人懐っこさでもって、わたくしの知らない間にすっかりこの地に溶け込んでいたのである。

それにしても、おじさん2人とその娘くらいの年頃であるわたくしの3人で、顔を寄せ合ってワインを飲む姿はちょっと奇異である。しかもアレッハンドロさんは顔だけ見れば100%ニッポンジン(でもロンゲ)、わたくしも当然ながらニッポンジン。チッタ・デッラ・ピエーヴェにニッポンジンは住んでいない為、明らかによそ者である。まあ大抵は私たちのことを親子だと思うのだが。

ウンベルトに聞いてみる。「何でホテル・バンヌッチを辞めたの?」「そりゃあね、あんな頭の悪い我侭なアメリカ人オーナーと一緒に仕事はできないさ。堪忍袋の緒が切れたってやつだよ。今さら何を言われたとか何をされたとかグチグチ言うつもりはないけどね、もう二度と彼女(このオーナーは女性のようだ)とは関りたくないね。アレッハンドロ、すまない。君が彼女の友達だってことは知ってるんだが、それと仕事とは別だからね。」「これからどうするの?」「今はちょっと休養。娘もようやく結婚したし・・・」「ええ!?アレッシアのこと?結婚したの?いつ!?」「10日前に結婚したばかりだよ。今は新婚旅行で世界一周旅行中だ。いつ帰ってくるんだろうねぇ。」

ま、まじですか。ちなみにアレッシアはわたくしと同い年である。「相手はどんな人?わたしの知ってる人?」「いや、絶対知らない。まだ付き合って数ヶ月の相手だからね。マリコもよく分かってると思うけど、アレッシアはいつもフラフラしていて彼氏もとっかえひっかえで全然長続きしないし、こりゃ晩婚だなと思ってたんだが・・・ある日突然”パパ、わたし結婚する”って言い出したんだ。驚いたのは僕らさ。”お前、妊娠でもしたのか!?”って聞いたらひどく怒られたよ。”彼を愛してるから結婚するのよ!子供なんてできてないわよ!”ってね(笑)」

そこにやってきたのはクリスティアン(写真下)、ウンベルトがまだペルージャスペイン料理屋をやっていた頃から一緒に働いている、ミラノ出身の男の子だ。ウンベルトはホテル・バンヌッチの共同経営者に就任した際、カメリエレとしてもバリスタとしても優秀だったクリスティアンを、ホテル併設リストランテのマネージャーとして引っ張ってきたのだ。ウンベルトはさっさと辞めてしまったが、クリスティアンはまだ元気に働いている。

「チャオ、マリコ!久しぶりだなぁ。」「久しぶりで、早速驚いちゃったよ。アレッシアが結婚したんだって!?」「そうなんだよ!本当に僕ら驚いたよ、あのアレッシアがねぇ。相手を見てまたびっくりさ。剥げで恰幅がよくてエリートの40歳!周りの皆は”絶対妊娠したか、もしくは金目当てだ”って。いや、彼がアレッシアの金を狙ったんじゃないよ、逆だよ。アレッシアが金目当てで意図的に妊娠したんじゃないかって(笑)。いやぁ、でもピュアな愛だそうで。まあね、温厚でいい奴だったよ。我侭で奔放なアレッシアを全部受け止めてくれそうな、ね。よく考えたらお似合いだよ。」

そこまで周りに騒がれる結婚もすごい。結婚の報告を聞いて実の父親がまず「妊娠」を考えたというのだから、アレッシアが憤慨するのも無理はないが・・・。こういう何気ない日常の出来事を一つ一つ皆に報告してもらい、説明してもらうたびに忘れていたイタリアを思い出し、癒される。

「そうだ、マリコはまだこっちにいるんだろ?明日のランチに招待するからアレッハンドロと一緒に是非きてくれよ。今日はこれからまた仕事に戻らなくちゃいけないんだけど、明日の昼なら時間があるから。場所は僕の家。昔からは想像できないくらい、僕はワインおたくになっているからね(笑)。びっくりすると思うよ。楽しみにしてて。美味しいもの揃えて待ってるから。」

ありがとうございます。伺います。