barmariko2006-08-26


ガリバルディ通りにあるバール・アルベルトは8月いっぱい夏休みに決まっている。がしかし、一応わたくしのペルージャ時代を象徴する数少ないものの1つとして、帰郷した際には絶対訪れなければならない。ということで、今回アルベルトに会うことはできないが、店の様子だけでも見に行ってみた。

店の前に広がるのは、教会広場(写真)。わたくしが働いていた頃は、教会の修復工事が2年半にも渡って行われていた為、常にこの広場は閉鎖され、ダンプカーやらショベルカーやらで踏み込む余地もなかった。ようやくその工事も終わり、今まさに広場が活気を取り戻す久々の夏、なのである。この広場はバール・アルベルトの営業が許可されていて、可能な限りテラス席を設けることができる。先月イタリア優勝で幕を閉じたサッカーワールドカップのときは、アルベルトがTVを外に設置したため、広場は連日連夜大賑わいだったという。(←まれにみるバール・アルベルトの成功事例)

その日の夕方、もと同居人のロセッラ、その彼氏のステファノ(わたくしが働いていたパブ「ダウンタウン」のオーナーでもある)の3人で、食前酒を飲みにチェントロへ行った。
「今日バール・アルベルト見てきたよ。あれ、本当にいいね、広場のテラス席。チェントロと違って静かだし、アルベルトの足りない脳みそを補うのにピッタリな広場だよね!」「足りない脳みそ・・・いやまあその天然ボケっぷりがアルベルトのいいところなんだよ。憎めないっていうかさ。」とステファノ。

「面白いことがあったんだよ。僕とアルベルトがホンダのバイクを愛してるってことは、マリコも当然知ってるだろ?今年の春にさ、ギリシャまでアルベルトとツーリングに行ったんだよ。勿論フェリーでバイクを運んだわけだけど。毎日毎日来る日も来る日もバイクに乗ってさ、紺碧の海ときれいな空気と・・・僕ら2人とも大満足して最高だった。それが、ペルージャへ帰ってきたとたん、アルベルトがいつものように体の不調を訴え始めてさ!」「またぁ?ここが痛いとかおかしいとか、暑いとか寒いとか胃が痛いとか・・・それこそ病気だよ、どっか悪いって思いたいんだよ」とわたくし。

「そうそう。でも今回のは酷かった!”腰と背中の痛みが酷い。これは内臓から来てるんじゃないか?ステファノ、悪いがもう二度とお前とはツーリングに行かない”って言い出してさ(笑)。この年になって絶交されるとは思わなかったよ。医者に行けって行ったんだけど、どの医者行っても”筋肉痛がちょっと酷いだけだ”って言われるらしくて。それじゃ納得いかないもんだから最後には総合病院で2回も3回も検査してさ。それでも悪いところは一つも見つからないんだよ(笑)本当に大騒ぎだった。店でもくる客くる客に一日中愚痴ってたよ、体の痛みを。」あほだ。

「結局治ったの?」「うん、いつの間にかね。で、この前バールに立ち寄ったら、”チャオ、ステファノ。今度はどこにツーリング行く?”だってさ。さすがだよ、アルベルトは。」こういうボケぶりが懐かしい。アルベルトは一生変わらない。アルベルトのままである。