チッタ・デッラ・ピエーヴェの友達1

barmariko2006-08-27


ペルージャから車で40分ほど行ったところに、チッタ・デッラ・ピエーヴェというとても美しい街がある。その素晴らしい景観、建造物、自然に惚れ込んだ欧米の富豪たちが、いつの間にかこぞって別荘を建て、夏のシーズン中、実は街のあちこちで英語が飛び交う。また余談であるが、イタリアのTV番組「カラビニエーリ(警察)」というドラマがここで撮影されていたため(イタリア版西部警察)、イタリア内でも殆ど知られていなかったこの小さな街は、いつの間にか非常に有名なエリアとなった。

わたくしの知人で、ウンベルトというイタリア人男性(56歳)がいる。昔ペルージャのモルラッキ広場近くで、スペイン料理屋を営んでいた彼は、毎日午前2時まで働く生活に体力的な限界を感じ、店を閉じて自身の別荘のあるチッタ・デッラ・ピエーヴェへと引っ込んだ。しかし活動的な彼がそんな隠居生活に満足するわけもなく、いつの間にかチッタ・デッラ・ピエーヴェで最も有名で中心地にある「バンヌッチ」というホテル(写真下)の経堂経営者として再出発したのである。昔ペルージャの店で働いていたスタッフを数人引き連れて。このホテル、中心地にあるだけでなく、併設したリストランテの味が素晴らしいことでも知られている。正確にはZAFFERANO(ザッフェラーノ)というウンブリア料理&トスカーナ料理の正統派リストランテと、PIEVESE(ピエヴェーゼ)というピッツェリア、さらにホテル内にはバーまであって、田舎ながらそのセンスの良さ、味の良さは無視することができない。いつかわたくしも機会があったら泊ってみたいと思うホテルの1つだ。(興味のある方はHPをどうぞ

わたくしがペルージャに住んでいた頃何かと可愛がってくれ、当時まだ営業していた彼のスペイン料理屋で、わたくしは殆どお金を払ったことがない。サングリアもワインもおつまみも、しょっちゅうタダで頂いていた。彼の息子や娘とも親しくなり、誕生会や昼食会にも呼ばれることが多かった。今回せっかくペルージャに来たのだから、チッタ・デッラ・ピエーヴェで働くウンベルトとそのスタッフたちにに挨拶したい、そう思って今回何の連絡もなしに突然驚かせるつもりで訪れてみたのである。

連絡などしなくても、ホテル・バンヌッチへ行けば会えるだろう、そう思って訪れたのが甘かった。彼は5ヶ月も前にまたその仕事を辞めていたのだ。どうやら経堂経営者のアメリカ人オーナーと馬が合わなかったらしい。そんなわけで急遽ウンベルトに電話をし、「一体どうしたんだ!?君は今東京にいるんじゃなかったのか!?」と驚かれながらも、1時間後に街のエノテカ(ワイン居酒屋:写真下)のテラスで会う約束をした。