ズッキーニのリゾットで爽やかランチ

barmariko2005-08-12

IL PRANZO CON ANDREA "IL RISOTTO CON I ZUCCHINI"

「そろそろ使わなくちゃいけないズッキーニがあるから、今日のお昼はそれでリゾットにしよう」とアンドレア。いつもいつも、本当にありがとうございます。今回バカンスと称してペルージャに到着してからというもの、朝ご飯もランチもディナーも何もかも、わたくしは100%他人の支えでもって生きている。一番最後にお金を使ったのはいつだろう?といっても大袈裟ではない。毎日毎日いろんなところで、いろんなひとにご馳走になっている。その中でもアンドレアのもてなしぶりは凄い。フォーク1本ナプキン1枚出すことは許されない。アンドレアの家に入ったら、ニッポンからのお客様としておとなしく席に着き、お姫様のように何もかもやってもらうことになる。

このひとは絶対主婦、いや主夫になるべきである。そうなるべくして生まれてきたひとである。その辺の専業主婦よりやることが細かい。ジャム等の瓶は必ず洗って乾かし、パスタソースなどを保存するのに使う。汚れたお皿やナイフやフォークは必ず漬けおき洗いする。ダイニンキッチンのテーブルクロスは週に2回洗濯する。鍋を洗うときは取っ手もとり、中に入り込んだ汚れをきれいに落とす。いらなくなった下着やTシャツやバスタオルは床の雑巾がけ用にカットする・・・あげたらきりがないが、どれをとってみてもわたくしより遥かに几帳面である。(ちなみにこれはキッチン編であり、トイレお掃除編、お部屋掃除編、アイロンかけ編など多岐にわたって彼の几帳面ぶりは発揮される)今まで生きてきて、本当に彼ほど細かい人間は見たことが無い。ただしやはり仕事が細かいときて、やたら時間がかかって遅いというのも彼の特徴である。セカセカしているわたくしなど、時に洗い物をしている彼から、皿をふんだくりたくなることもある。「ねえ、皿洗いに一体何時間かけるつもり?」

さて前置きはともかく、そんなアンドレアがいつものごとくお昼ご飯を作ってくれた。作り方は本当に簡単。リゾットというのは、ニッポンだと何だかエラくお洒落な食べ物のように聞こえるが、なんてことはない、ニッポンでいう雑炊である。冷蔵庫に余った野菜で美味しく手軽にできる、非常に便利な食べ方なのである。

ニッポンでもイタリアでも、レストランで食べるリゾットというのは、かなりコッテリとしていて重めである。それもそのはず、火を止める間際にたっぷりのパルミジャーノチーズとバターを入れるからだ。勿論これはこれで美味しいのだけれど、わたくしはやっぱり野菜ブイヨンと野菜だけの、あっさりとした優しい味が好きである。イタリアへやってきたばかりの頃、リゾットとはいわゆるレストランが作る、チーズとバターがたっぷりの濃厚なものであるとわたくしも信じていた。いやむしろ、殆どのイタリア人はリゾットを食べるとき山盛りのパルミジャーノチーズをふりかける。だから、このアンドレア作あっさり系リゾットに初めてお目にかかったときは、本当に新鮮だった。

ズッキーニのリゾット(2人分)
材料:ズッキーニ2本、玉ねぎ1/4個、米1〜1.5カップ、塩、胡椒、洋風スープ

  1. 固形洋風スープの素を、たっぷりのお湯にといておく。
  2. ズッキーニは荒微塵切りにする。チーズおろし器でゴリゴリやると早い。(http://d.hatena.ne.jp/barmariko/20050515)
  3. 玉ねぎを微塵切りにし、オリーブオイルでよく炒める。
  4. ズッキーニを加えさらに炒めたら、米を加える。(米は絶対に洗わない)
  5. 作っておいたスープをお玉で少しずつ加える。(一度に加えないこと)
  6. 弱火〜中火で途中焦げ付かないようによくかき混ぜながら、米がアルデンテになるまで煮る。スープを加え、よく混ぜる、この繰り返しで約20分。

ちなみにアンドレアに聞いてみた。「マンマのリゾットの具は何?」「ズッキーニは使わないんだよ。ズッキーニは僕の発案。彼女が得意なのは、マッシュルームのリゾット、あとジャガイモとニンジンのリゾット・・・あ、サフランを入れることも多いね。それからレンズ豆や白いんげん豆なんかを別鍋で炊いておいて、最後に加えることもあるよ。」うーん、美味しそうである。