トーマス&イヴァナの家でガーデンランチ2

barmariko2005-08-26

IL PRANZO DA THOMAS & IVANA 2

前菜はわたくしの予想通り「生ハムとメロン」である。さらにイヴァナは中部・南部イタリアの家庭料理「Panzanella(パンツァネッラ)」も作ってくれた。このパンツァネッラは、一口に言えばパン粉のサラダである。山盛りのパン粉とニンニク、オリーブオイル、塩をミキサーにかけて、軽く混ぜ合わせる。ちなみにアンドレアの実家ではミキサーは使わず普通にサラダボウルの中で混ぜるだけなのだが、イヴァナ曰くこのほうが均一によく混ざるらしく、且つ少ないオリーブオイルですむらしい。さてそこに合わせるサラダ具としてイヴァナが選んだのは、プチトマト、きゅうりの輪切り、フレッシュバジルの3つ。そしてワインビネガーをひとたらし。「何でも合うのよ、そのときあるものでいいの。例えばピーマンとか、ニンジンとか、セロリとか。フレッシュパジルは絶対お勧めよ。香りがとってもいいから。」

このパンツァネッラの美味しさは想像以上だった。イヴァナの作る料理は比較的ニンニクが効いていて、何と言うかパンチがある。このパンツァネッラも言わずもがな、絶妙な量のニンニクが食欲を増進させるのだ。家庭によってはニンニクを全くいれず、玉ねぎで代用したり、全くもって香味野菜を入れない非常にまろやかなバージョンもあるらしい。しかしわたくしはこのイヴァナバージョンのすっかり虜になってしまい、こともあろうに生ハムとメロンは1つ食べただけで、あとの余力は全てパンツァネッラに注いだ。「ミキサーで混ぜるときに、ルッコラも一緒に攪拌してもよさそうだね。香りがたってパンツァネッラのルッコラ版ができるよ」とアンドレア。「そうね、それでも美味しいと思うわ。でもその場合はバジルは入れないほうがいいかも。香りがぶつかるから。」とイヴァナ。こういう何気ない食に関する彼らの会話がわたくしは大好きで、いつも聞き漏らすまいと必死になる。

さて前菜の次はプリモ・ピアット(第一の皿)である。イヴァナが用意したのは、パスタとナスの重ねオーブン焼きである。この暑いのに冷房なしでオーブンを稼動させるイヴァナに拍手を送ろう。トマト、パスタ、ナスの3つが揃うこのピアットは、典型的な南イタリアの家庭料理である。「イヴァナ、本当にありがとう!これ僕の大好物なんだよ。これこそマンマの味だよね。」と満面の笑みを湛えるアンドレア。

まずトマトソースを作り、茹でたパスタ(ショートパスタの中でも大きめのものを使う)を和える。ナスは1cmほどにスライスし、オーブンで別途焼いておく。オーブン皿に焼いたナスを敷き、その上にこのトマトソースパスタを並べ、更に焼いたナスを重ねる。最後に余ったトマトソースとパルミジャーノチーズをたっぷりふりかけてオーブンへ。

作り方は至ってシンプルなのであるが、彼らイタリア人にとっても非常に難しいのが「アルデンテ加減」である。普通に茹でるだけのパスタと違い、茹でた後にオーブンに入れる時間を計算しなければならない。気をぬくと柔らかくなりすぎてしまう。「出来立てをすぐにオーブンから取り出したら駄目なのよ、アツアツの出来立ては、パスタがしんなりとして柔らかすぎるの。オーブンを消してもそのまま中に入れっぱなしにしておくのがいいの。水分が飛んで少しからっとするのよ。あーあ、今回のは失敗だわ、柔らかすぎね。もう少し時間をおくんだったわ!」なるほど、まるでニッポンの白いご飯のようである。炊きたては柔らかすぎるから、少し時間をおいてから食べる、原理は同じであろう。

お次はセコンド・ピアット(第二の皿)だ。山間都市でありながら、彼女が選んだのは「イカとタコのフリット」。フリットとはお馴染みフライである。天麩羅のイタリア版だ。小麦粉と水と塩で作った衣をつけて、100%オリーブオイルで揚げ、塩とレモンで食べる。ああ、旨い。「このフリットにさっきのパンツァネッラはよく合うのよ。マリコ気に入ったんでしょ?一緒に食べなさいよ」とイヴァナ。「ありがとう!じゃあ遠慮なく。」本当だ。一緒に皿に盛って(写真)食べまくる。その後全てのご飯が終わっても、まだちょっとボウルに残ったパンツァネッラに目がいってしまい、「その残ってるやつ、食べちゃっていい?本当に気に入っちゃった。」と言い出すわたくし。結局ボウルごと食べ切ってしまったのである。

さてお次はワイン編だ。