トーマス&イヴァナの家でガーデンランチ3〜ワイン編

barmariko2005-08-27

IL PRANZO DA THOMAS & IVANA 3...I VINI STUPENDI!

さあついに、トーマス&イヴァナの家で出されたワインについて自己満足する時間がやってきた。多くは語らず、ワインリストの紹介といこう。それにしても、トーマスというイタリアワインソムリエを友人に持つわたくしたちは、何と言う幸せ者だろうか。彼らの貯蔵庫に眠るワインたち、その数2000本(400種類)はどれもみなトーマスがその目と舌で厳選したもので、イヴァナの料理に応じてサービスされる。勿論、食前酒用、前菜用、プリモ・ピアット用(パスタの皿)、セコンド・ピアット用(肉や魚の皿)、食後のデザート用、という流れで出されるのだから、1回のランチやディナーで最低でも4、5本は味見することになる。そうやってみて初めて、それぞれのワインが持つ香りや色や風味を比較しながら堪能できるのである。
①Villa Giulia Langhe Bianco 2001(ヴィッラ・ジュリア・ランゲ 2001)
食前酒及び前菜用にトーマスが選んだもの。id:barmariko:20050825の写真に写っているワインがそれである。パッと見てハチミツのような鮮やかな黄色が目に付く。薄緑色といってもよい。まるでオリーブオイルのようである。甘いキャラメルのような香りが漂うが、むしろ辛口の白ワインである。今回のランチはこの白で始まり、わたくしたちはいつものように度肝を抜かれたのだった。
②ALASTRO 2002 -PLANETA(アラストロ 2002 プラネタ社)
もはやイタリアを代表する作り手として知られる、シチリアのプラネタ社の逸品「アラストロ」。グレカニコ50%、シャルドネ25%、シャルドネ・バリック25%から成る味わい豊かな白だ。花とフルーツの香りがとっても華やかである(イタリア語のワインブックには「メロン、グレープフルーツ、オレンジやレモンの柑橘類、ジャスミンの香りがすると書かれている。確かに柑橘系のフレッシュさの中にもほんのり甘みを感じる)。軽めのリゾットやパスタ、魚介類の前菜や魚のグリルなどに合う。イヴァナが用意した「生ハムとメロン」にも勿論ピッタリだった。
③Colli Orientali Del Friuli BIANCO 2001 -RONCO DEL GNEMIZ(コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ・ビアンコ)
北イタリアのコッリ・オリエンターリ・フリウリ地域と言えば、白ワインの名門中の名門ゾーンである。中でもシャルドネはその繊細な風味とアロマが超一級品だ。RONCO DEL GNEMIZ社は小さな小さなワイナリーで、その地域にしては珍しくHPも持っていない。がしかし、丁寧に作られる本物の味は・・・トーマスに発掘されてしまったのである。フルーティーすぎずしっかりとした味わいのシャルドネは、軽めのパスタやリゾットに合うので、トーマスはトマトソースパスタのオーブン焼きのためにチョイスした。
④"PIE' DELLE VIGNE" Montepuciano d'Abruzzo Cerasuolo - CATALDI MADONNA(モンテプルチャーノ・ダブルッツォ・チェラスオーロ”ピエ・デッレ・ヴィーニェ”
「見た目完全に赤だろう?でもこれは赤じゃない。むしろ白に近いロゼなんだ。勿論冷やして飲むのさ。このイカとタコのフリットにもピッタリだよ。さあ味見して!」本当だ。きれいなルビー色なのに味わいは完全にロゼである。イチゴやラズベリーがふわっと香り、これがモンテプルチャーノだとは信じられない。(桃の香りもするとトーマスは言うのだが、わたくしの平凡な鼻ではよく分からない)
⑤BEN RYE Passito di Pantelleria 2001 - Donnafugata(ベン・リュー・パッスィート・ディ・パンテッレリア 2001)
やったーーー!これが飲めればもう今回のバカンスは終了したといっていい。ズィビッボ種100%、あのドンナフガータ社が世に贈り出す名品パッスィートの登場である。そもそもパッスィートというものが、まだニッポンでは知名度が低い。穫後の葡萄を自然状態で乾燥させることにより糖度を高めて発酵させる、超凝縮タイプの甘口ワインのことだ。食後に、デザート用に楽しむものである。わたくしはこれが好きで好きでたまらない。ペルージャが位置するウンブリア州に「サグランティーノ・モンテファルコ」という名ワインがあり、以前そのパッスィートを試して目から鱗だった。しかし!今回のこれ、シチリアのパンテッレリアのパッスィートには心底「参りました!」である。まず色がオレンジであることに目が釘付け。キラキラ光るハチミツのようなオレンジ色をまず楽しんで一口含むと・・・まず広がるのはアンズと桃の味。ワインに詳しい訳でも何でもないわたくしでさえハッキリ分かるほど、それはまさにアンずとしか表現しようのないものだった。そして干した甘いイチジクのような濃厚な香りもある。おおお・・・複雑な味わいに感無量。「知ってる?ペコリーノチーズとかパルミジャーノチーズなんかとあわせると美味しいのよ。試してみる?」とイヴァナ。「試さないはずがないじゃないの!早く持ってきて〜、5分後には飲みきっちゃう!」

ふと見ると恍惚とした表情のアンドレア。あんた、学生のくせにトーマスと知り合いであるばっかりに相当いい思いしてんのよ。感謝しないさいよ、トーマスを紹介したわたくしに。と妙な優越感を感じてしまうほどに、このガーデンランチに登場したワインは素晴らしかった。まあいつものことだけれど。そしてこれもまたいつものことだが、13時に始めたランチは、19時まで続いた。今イタリアは21時近くまで外が明るいため、飲んで食べて喋っていると時が経つのをすっかり忘れてしまう。