カステラで朝ご飯

barmariko2006-04-09

LA COLAZIONE CON LA KASTERA D'ANDREA

イタリアへ帰郷(あえてこの表現で)するとき、ニッポンからのお土産は既に決まっている。

  • 酒:梅酒&日本酒
  • お菓子:カステラ&どら焼き
  • 食料:ラーメン&カレー
  • その他:カキピー

これさえあれば万全、わたくしの帰郷を非常に有難く感じて頂ける一瞬である。無類の甘いもの好きとして知られるイタリアジン、やっぱりお土産にお菓子は欠かせない。がしかし。セレクトを一歩間違えると超不評に終わるので気をつけたい。例えば90%の確率で不人気なのが「羊羹」。あの触感がダメらしい。それから中途半端に甘いのもダメで、彼ら曰く「羊羹は甘くない」のだとか。

カステラは和菓子ではないが、まあニッポンで発展した準和製ということで、いつも手土産にしている。これがまた大人気で、トーマス&イヴァナの家に1本持っていったときもあっという間に平らげてしまった。「こういうお菓子を食べる度にニッポンの技術ってすごいと思うのよ。とにかく軽くてふわふわでお腹にたまらないし、イタリアのボリュームたっぷりのドルチェとは本当に対照的よね。こんな触感どうやったら出せるのかしら。繊細よね」とイヴァナも大絶賛だった。

特に人気なのが抹茶味。お茶の効能はさすがにイタリアでも知られているし、健康食品としても注目されつつある。とはいえそれを使ったお菓子というのはまだまだ存在しないため、「抹茶風味のカステラ」などは「おおおっ」と感嘆の的になる。しかもイヴァナが言うように、イタリアの重いずっしりしたタルトとまさに対照的なあのふわふわ感が「日本食は軽くてヘルシー」をばっちりアピールしてくれるのだ。

友人アンドレア曰く、「カステラはカフェ・ラテと愛称抜群」らしい。わたくしがカステラをお土産に持っていくたびに、彼の朝ご飯は日伊合作となる(写真)。たっぷり砂糖を入れた甘い甘いカフェ・ラテに、このカステラを少しずつ浸しながら食べるのがイタリア流。「でもそれじゃあさ、せっかくの抹茶風味が分からないんじゃない?」とわたくしが突っ込むと「でも無意識のうちに浸しちゃうんだよね。僕らはケーキもクッキーも朝ご飯に登場するときは、ラテに漬けながら食べるのに慣れちゃってるからさ。何でかって言ってもね、何でだろう?」と言う。

カステラがふんわり軽いのは分かる。しかし朝ごはんに1/2本をペロリと平らげるのはいかがなものかと思う。やっぱり根本的に甘いものに対する感覚が違うのである。やつらは。