ピッツァにはビール?それともワイン?

LA PIZZA STA BENE CON LA BIRRA? O CON IL VINO?

イタリアが生んだ極上品、PIZZAことピッツァ。イタリアにおけるピッツァとは、庶民の宝であり、シンプル・イズ・ベストのマルゲリータはピッツェリアで食べても1ホール4ユーロ前後(560円)でなければならない。営業上リストランテを兼ねているところは別として、基本的にイタリアにおけるピッツェリアとは超庶民の店、皆でワイワイ食べる場なのである。彼らの認識としても、カップルだったらリストランテ、子連れファミリーや友達とならピッツェリア、という図式がなんとなく成り立っている。

さて「ピッツァにはビール」と思う方、いらっしゃるに違いない。でもトーキョーは青山のピッツェリアで、「ビール!」と大声で頼むのは恥ずかしい、ここはやっぱり赤ワイン?そんな心配はご無用である。何しろイタリアでも、この「ピッツァにはビール」という感覚は若者を中心にもはや周知の事実、当たり前もいいところである。イタリア現地のピッツェリアであっても、今や周りをふと見渡せば、客の半分くらいはビールを飲んでいたりする。

反してニッポンのピッツェリア。最近はナポリから窒を直送してきただとか、粉は100%イタリア産だとか、随所にコダワリが見られて味も素晴らしい。なのに1つ、とてもおかしな点があるとすればそれは飲み物である。なにゆえピッツァにバローロを合わせてしまうのか。サグランティーノを合わせてしまうのか。ピッツァは肉料理ではない。元をたどればただの粉、そんな重いワインを合わせたらせっかくのピッツァの味が消えてしまうではないか。

悲しいことにニッポンのピッツェリアは、せっかくピッツァ自体の味はよいのに「イタリアといえばやっぱりワイン」でここぞとばかりに、超一級品のワインを取り揃えてしまっている。ああ勿体無い。ピッツァを楽しむなら、ハウスワインで十分。もしくはビールでグイグイやるのもよろしい。そうだそうだ、トーキョーのピッツェリアでかぶれた奴らが1本1万円の赤ワインをくゆらせていたとしても、あなたは(誰?)堂々とビールを頼んじゃってください。そしてナイフもフォークも使わずに、手づかみでパクッと口の中に放り込み、ピッツァの固い切れ端(端っこの盛り上がっているカリカリのところ)は大胆に残してしまっても構いません。←意外とイタリアジンはここを残す

こんなに偉そうに書いておきながら、実はわたくしそれほどピザに固執しているわけではない。むしろピッツェリアへは、よっぽど友達に誘われなければ出かけなかった。仕方なく足をのばしても、みんながピッツァピッツァと大騒ぎする前で白々とパスタを注文してしまうヤツである。あしからず。