イタリア風たっぷり野菜の炒めもの

barmariko2005-08-19


またまたアンドレアの登場。何だか彼の影響で、イタリア家庭料理と言えば南イタリアはプーリア州の郷土料理ばかりを紹介するようになってしまった。まあ野菜好きのわたくしとしては大変ありがたいレシピばかりで、からだに優しいマンマの味そのものである。プーリア州の彼の実家では、たっぷりの緑野菜を茹で、干しブドウとニンニクで炒めて食べる。このときの野菜は、先がチリチリと縮れていて見た目はプリーツレタスのようであるが、味も歯ごたえももっとしっかりしている。生で食べるよりもこうして茹でて食べることのほうが多いらしい。ニッポンだったらレタス類で代用するよりも、例えばほうれん草や小松菜など少し味がしっかりしているものを使ったほうが上手くいくだろう。水菜などでも美味しいかもしれない。

今回はこの菜っ葉を丸ごと一房水から茹でた。(写真)鍋から溢れんばかりの緑が何ともボリュームを感じさせるが、塩を加えてグツグツ沸騰させ、もう3分もすればシューッと縮んであっという間に2〜3人前ほどになる。
アンドレアに言えないことがある。実はこうやってたっぷりのお湯で茹でてしまうと野菜の栄養分が全部逃げてしまうようで、ちょっともったいなく感じたりもする。これを蒸したら、よりリッチな味わいに、よりシャッキリと歯ごたえが残りそうなのに、といつか提案してみたくも思うのだが・・・まあここはイタリア、せっかく彼のマンマの味を再現してくれているのだし、何より作って頂いている分際でそんなに出しゃばっちゃいかん、ということでそれを言う勇気はないのだけれど。それにイタリア人は野菜を食べるとき、歯ごたえよりもクタクタ感を楽しむのが普通であるから蒸し器なんて家庭では見たことが無いし、「茹でる」がより一般的なのである。それに何だかんだ言っても今回のペルージャ滞在で「あの干しブドウ入りの野菜炒め」をリクエストしたのはわたくしなのだ。

斬新なのは、干しブドウを加えて炒めることだ。(そもそも独り暮らしのオトコの子の家に干しブドウが常備してあることが凄い)ニンニクが柔らかく香る干しブドウ、この茹でた野菜となんとまあよく合うことか。干しブドウはお菓子や、朝食のコーンフレークスに入れたりする以外に使い方が分からないという方、朗報である。イタリア風野菜炒めに200%活用できる、なかなかどうして優れものなのである。

イタリア風野菜炒めと白ソーセージ(2人分)
山盛りの緑の野菜(ほうれん草なら1人1束)、干しブドウ好きなだけ、ニンニク1かけ、赤唐辛子1本、白ソーセージ6本(ハーブ入りなどの淡白なソーセージ。外皮が薄いものがよい)、白ワイン少々

  1. 野菜を洗って鍋に入れ、荒塩を振ってひたひたまで水を入れ、クタっとなるまで茹でる。
  2. フライパンにニンニク1かけ、赤唐辛子、オリーブオイルを入れ、弱火でじっくり香りを出し、干しブドウを加える。
  3. 茹で上がった野菜の水気をよく切って、2に入れ軽く炒め合わせる。
  4. オリーブオイルを少したらした別のフライパンに、ソーセージを入れ炒める。
  5. 白ワインをふり、煮詰める。
  6. 皿にソーセージを盛り、上から野菜をたっぷりのせて出来上がり。

忘れてはいけないのが、このソーセージを炒めるときの、ほんのちょっとの白ワインである。これで風味がぐんと増し、ソーセージを軽視できなくなる。このとき使うソーセージは、パリッとしたものより外皮の薄い、味の淡白なものがよい。例えばハーブ入り、青シソ入り、ガーリック風味などニッポンでもいろいろ市販されている。

言ってみればただの野菜炒めなわけである。しかしここに干しブドウを加えたり、ワインをたらしたり、ほんの少しの工夫だけで、こんなにもイタリアンテイストたっぷりの一皿になる。勿論合わせるのはキュッと冷やした白ワイン。