ペルージャの夏

barmariko2005-08-16

L'ESTATE DI PERUGIA

ペルージャの夏は、意外にも過ごしやすい。ローマやフィレンツェボローニャに比べるとやはり山間都市だからだろう湿度が低く、朝晩の涼しさは非常に心地よい。勿論一般家庭にも街中の商店にも、バールにもパブにもクーラーなど存在しない。さらに今年の8月は昨年よりも若干涼しく、第2週目ともなると何と夜は20度前後にまで気温が下がりだした。上着なしではちょっと肌寒いくらいである。夕方にもなれば、ワインのボトルを適温にするために日陰に出しておけるくらいだから、その涼しさはご想像頂けるであろう。

朝だって本当に涼しいから、朝ご飯にアツアツのカフェ・ラテを、クーラーなど存在しない家の中で飲むことだって全く苦ではない。東京のあの不快な蒸し暑さが嘘のようだ。とはいえさすがに昼間は暑いし、何と言ってもニッポンと比べて日差しが強い。しかし一歩日陰に入ってしまえば、さーっと汗が引く。夕方7時ごろになると吹く風も違ってくる。そのまま夜21時ごろまでは明るいから、イタリア人はみなこぞって外へ出る。夏のバンヌッチ通り(チェントロのメイン通り)は夕方から夜にかけてが一番大賑わいを見せるのだ。気持ちよくなってきたね、散歩にでもいこうか、ご飯前にちょっと軽く一杯・・・こんな感じでこの時間帯はイタリア人にとって(少なくともペルージャの)外出ベストタイムなのである。

8月15日はFERRAGOSTO(フェッラゴスト=聖母被昇天の祝日)といって以降約1週間が祝祭日となる。まあ通常1ヶ月バカンスをとる国であるから、この1週間はあまり意味がないかもしれないが。そもそもイタリア人は8月はまるまるバカンスをとる。多くは帰省する。学生などは7月に入ってテストが終了するや否や、荷物をまとめて実家へと旅立つ。そして9月になるまで帰ってはこない。何がそうさせるのか、彼らをそこまで帰省と促すものは何なのか分からないが、夏の間ペルージャに残るのは生粋のペルージャ人と外国人のみである。明らかに街の人口は減り、外国人率が倍増する。

ここ1週間、ほぼ毎晩どこかで野外コンサートが行われている。先日チェントロ11月4日広場で開催されたクラシックコンサートも非常に可愛らしいものだった。その殆どは観光客とペルージャに残る外国人、それからなんらかの事情で帰省が遅れているイタリア人だったが、年越しのお祭りと同じくらいの人出であったのにはさすがに驚いた。思えば初めての夏はわたくしはさっさとスペインへ渡り、ペルージャに帰ってきたのは9月だった。次の夏はバイトに明け暮れ、2,3箇所掛け持ちしていたから、とてもじゃないがゆっくりチェントロで散歩をする余裕もなかった。今までペルージャにいながら、ゆっくり8月の街を見たことがなかったのである。

それにしても東京の蒸し暑さ、仕事が終わり満員電車に揺られて地元の駅につき、待ち構えたかのように顔をなでるムッとした空気が、信じられない。