全店禁煙法は今いずこ?

barmariko2006-02-10

DOV'E' SPARITA LA LEGGE SUL FUMO?
2005年1月10日をもって、イタリアは全飲食店(パブ、バール、リストランテ、トラットリア、ピッツェリアなど飲食を扱う全店)における禁煙法を施行した。(当時自虐的とも言われたその背景や反応については、こちらをご覧ください)少なくともわたくしが帰国する時点で、「ここは本当にイタリア?」と思えるほどに、それは見事に遵守されていた。

しかし。バール・アルベルトへ立ち寄った瞬間、わたくしは衝撃の一こまを目にすることになる。右は証拠写真「バール・アルベルトで喫煙する元タバコ屋シモーネ」。「ちょ、ちょ、ちょっと!?シモーネ、あんた何タバコ吸ってんの!?」「ああこれ?いいんだよ、別に。アルベルトには迷惑かけねぇよ」「・・・もしかして(ニヤニヤ顔のわたくし)法律変わったんでしょ?やっぱりねぇー!さっすがイタリア!」

そう、いつの間にか法律は改正されたのである。厳密には「禁煙法」は現存している。何が変わったかといえば、「罰金を誰が払うか」である。以前の禁煙法では、店内での喫煙者が発覚した場合、その店のオーナーが多額の罰金を支払うことになっていた。従ってお店のオーナーは「罰金だけはかなわん」とやっきになって張り紙をしたり、注意したり、目を光らせていたのだ。しかし、今回の禁煙法改正によって、罰金はタバコを吸っていた本人が払うことになったのである。

その罰金額も大幅に減っていた。正確には、喫煙していた状況によって決定され、最低ラインで25ユーロ(約3500円)、色々罪が重なると最大250ユーロ(約3万5千円)となるらしい。例えば、「喫煙していた場所に妊婦や幼児がいた」「リストランテのキッチンなど調理する場所で喫煙していた」など、相当細かい状況設定がされているようだ。

イタリアジンも「駐車罰金とられるより、見つかる確率が低い」という意識を既に持ち始めているらしく、シモーネのように、辺鄙なバールなどではコソコソと店奥で吸う者が出てきたらしい。道理で、ぷかぷかとカウンター横でタバコを吸うシモーネを見ても、アルベルトが穏やかなわけである。彼は全く罪は問われないのだから、どこ吹く風なのだ。

「でもさ、罰金取られたら嫌でしょ?いくらアルベルトには迷惑かからないっていってもさ・・・ちょっとリスキーだよ?」「いいんだよ、そんときゃあ、コイツだよ。コイツが役に立つんだよ」「は、はぁ?」そういってシモーネはわたくしに彼の松葉杖を見せた。以前もお話したように、彼は10年以上も前に交通事故で右足を切断しているのである。「松葉杖を見せてよぅ、外まで吸いに行くのが大変で・・・自分は足がないもんですから、とか言うんだよ。問題ねぇよ!」す、すごすぎる。