イヴァナのキッチン訪問

barmariko2005-06-03

LA CUCINA D'IVANA

わたくしの大事なお友達のひとり、イヴァナはあのトーマスの奥さんである。トーマスはドイツ人、イヴァナは北イタリアはヴェネト州の出身だ。彼らがどんなに食べること、飲むことに情熱を注いでいるか、その様子を知りたい方は是非この3つのお話をご覧ください。

id:barmariko:20050103「トーマスの誕生日」
id:barmariko:20050131「トーマスの家で日本食
id:barmariko:20050422「トーマスの家でワイン三昧」

当然ながらそんな彼らにとってキッチンというのは大切な場所である。家具作家のイヴァナが手を抜かないわけがない(写真)。イヴァナのキッチンは一言でいうと「おもちゃ箱」だ。整然とモノが整理されているわけでもなく、色が統一されているわけでもなく、ゴチャゴチャと色んな国の(←これはイタリアのキッチンでは非常に珍しい!)色んな色の、色んなフォルムの雑貨がひしめき合い、共存している。とにかくモノが多い。木のまな板は10枚くらいあるし、包丁となると20〜30本はあるのではないか?チーズ用だけでも立派な数になる。

実際にお見せできないのが残念だが、凄いのはイヴァナが作った隠し扉や、引き出しや、小さな棚たちである。わたくしがイヴァナのキッチンでご飯を作るとき「お玉はどこ?」「小さな鍋がほしいんだけど」と聞く度に「ここよ、ここよ」と想像もつかないところから出してくれる。写真上に見える、ワイングラス掛け、これも彼女の作品だ。それから棚の下、モノを置いたり調理したりするスペースが少しあるのだが、この台はセラミックで出来ている。勿論彼女がこのタイルを全て貼ったのだ。ブルーが基調のこのセラミックタイルは彼女のお気に入りで、居間に行くと同じ素材でできたテーブルもある。(勿論イヴァナ作)

「ほら、ここ見て。この扉開くのよ」見れば壁に設えた小さな棚。まるで神棚であるが、この扉を開けると、中は小分けされていてなんと日本製のオチョコが並んでいた。彼女はアジアの中でも特に和食器が大好きで、こういう小物には目がない。しかもそれを後生大事にしまっておくだけ、なんてことは絶対しない。全部飾る、見せる、そして勿論使うのである。

写真手前にあるのは、そう、やっぱりイタリア人にとってなくてなならない「エスプレッソマシン」。ご飯会をして散々飲んだ後には必ずエスプレッソをいれてくれる。例え美味しすぎるワインが止まらなくて、カフェの後また飲みだすことになろうとも、ディナーやランチの「ご馳走様でした」的区切りとして「食後のエスプレッソ」は必要不可欠である。彼らの家はとにかく人がよく集まるので、この自動カフェマシンは毎日フル稼働だ。ちなみにこのマシン、カプチーノ用にミルクを泡立てる機能も付いた万能選手である。

イヴァナのキッチンには和食材がたくさん存在する。彼女はとにかく食べることが好きで日本食は世界で一番美味しいと信じて疑わないから、やれ日本へ旅行した、ニューヨークへ行ってきたといってはジャパン・フードを買ってくる。ニッポンジンの友達からのお土産もある。わたくしが見た限りでも「ヒジキ」「昆布」「七味唐辛子」「ワサビ」など、ニッポンジンですらキッチンについつい余らせてしまうものが、やっぱり手付かずになって埃をかぶっていたりする。しかも彼女の場合、日本語表記は分からないし、和食は何度も食べてはいるが、その味を自分で再現するとなるとそれはそれで不可能に近いのだ。

イヴァナ色したおもちゃ箱。明日は何色に染まるのだろう。