barmariko風フリッタータ(イタリアン卵焼き)
LA FRITTATA ALLA MARIKO
フリッタータとはイタリア語でいう「卵焼き」である。フライパンでケーキのように丸く焼くのが基本で、具として人気なのはプチトマト、ズッキーニ、玉ねぎ、マッシュルームなどである。卵を10個以上使ってケーキのように厚みを持たせて焼くケースと、1人2人分ということで卵1個〜3個で作る薄型版とがあるのだが、まあこの厚さは特に重要ではないようだ。とにかく卵を焼く=フリッタータなのである。むしろイタリアジンが最も重要視するのは「両面を焼くこと」。きっちり焼き目を付けてこそフリッタータと断言する。
昔の同居人エミリアーノがよくズッキーニだけのフリッタータを作っていた。横で覗き見をするわたくしに、口をすっぱくして彼が言っていたのは「こうやって必ず両面ひっくり返してさ、きちんと焼かなくちゃダメなんだ。これでこそイタリアのフリッタータ!」へぇ、と口では相槌を打ちながらも、ニッポンジンであるわたくしは「これがトロトロ半熟だったらもっと美味しそう」といつも別バージョンを考えていた。
さて今回ご紹介するのが、わたくしが大好きな我流のフリッタータである。材料は野菜、卵、塩、そして味の決め手となるパルミジャーノチーズ、とイタリアジンのそれと全く同じである。異なるのは、彼らが最重要ポイントと言い放つ「焼き加減」と、パルミジャーノチーズおよびわたくしが愛してやまないルッコラを、焼きたてのフリッタータの上にこんもり盛り付けることである。こんなのイタリアジンは絶対やらないが、わたくしはこれが好きなわけで。
barmariko風プチトマトのフリッタータ(2人分)
材料:プチトマト6個、玉ねぎ1/8個、卵大2個、パルミジャーノチーズ適量、ルッコラ適量、オリーブオイル、塩コショウ
イタリアジンはパルミジャーノを卵の中に入れてしまうが、わたくしはそれだけではあきたらない。中にも入れつつ、贅沢に出来上がり後に上から散らす、2方向から攻めるのが好きなのだ。皮むき器で荒削りするから存在感もあるし、しっかり味わえる。パルミジャーノチーズ、高いんだからそれくらいダイナミックに味わいたいと思うのは当たり前(少なくともわたくしは)。しかもアツアツ&トロトロの卵に溶ろけるチーズはビジュアル的にも最高だったりする。
ちなみにこの「半熟加減」はイタリアジンが非常に苦手とするところ。フリッタータが半熟なんて知られたら、わたくしは刺されるに違いない。例えばトロトロの親子丼は不気味がられるだろうし、ニッポンジンが大好きな「○○の温泉卵のせ」「○○の目玉焼きのせ」は奇異に写るだろう。卵をくずして絡めて食べる、この贅沢なひと時を、彼らは絶対に理解してくれない。