街で見つけたカセッタ(郵便受け)

barmariko2006-03-17

イタリア郵便事情の悪さは今に始まったことではなく、もはやイタリアジンも認識することである。ニッポンから送ってもらった荷物は一体いつになったら届くのか、そのやきもきした思いは、イタリアに住んだことのある方なら間違いなく味わうものだ。そんな不満だらけの郵便事情とは裏腹に、見た目に美しいアンティークなカセッタ(郵便受け)たち。ペーサ門から少し入った小道で、こんなカセッタを発見したので写真を撮ってみた。時代を感じる芸術品である。

このカセッタには当然ながら家主の名前を入れるスペースがあるのだが、実はこれ要注意である。例えば学生や留学生の多いペルージャの場合、1軒の家やアパートに何人もが間借りしている状態であるから、カセッタに全員の名前が入りきらないのである。かといって名前を表に出さないと、せっかく郵便物が送られてきても「宛名不明」として速攻送り返されてしまう場合が往々にしてある。いくら住所が正しくても駄目というわけだ。そのため短期間であってもその家に住む場合は、写真のようにカセッタのどこか空いたスペースに、自分の名前を書いた紙切れをセロハンテープで止めなければならない。重厚なカセッタにこのチープな宛名。このコントラストがイタリアである。