16歳という若さで金メダル?おいおい。

荒川静香が堂々金メダル。ニッポン中が湧きに湧いた瞬間。今年は特に最強の布陣ということもあって、期待を背負っていた日本フィギュアスケートだが、以前から世界的に人気のある種目であることは言うまでもない。それにしても荒川選手の美しさにはため息が漏れる。日本選手が、ジャンプだけではなく技術的にも芸術的にも世界を牽引する位置にいると、全世界に知らしめた瞬間だった。個人的に彼女の大ファンなので、これほど嬉しいことはない。

ところでイタリアでオリンピックの実況を一手に引き受けているのは、RAI2(ライ・ドゥエ)という国営放送なのだが、荒川選手の優勝が決まった直後、我々ニッポンジンにとっては信じがたい間違い発言をしていた。「躍動するニッポン!荒川16歳、村主17歳、安藤18歳!特に荒川!素晴らしい!16歳女王の誕生です!」

おい。誰が16歳だって?荒川選手は24歳である。ちなみに村主は25歳。昨日TVで言っていたが、荒川選手24歳のフィギュア金メダルは、世界ギネスらしい(年齢的に)。それほどまでに、若い選手の台頭が目立つ、新旧入れ替えの激しいスポーツなのである。しかし。地球の反対側で、オリンピック開催国であるイタリアでは、「16歳女王」として報道されているのである。浅田真央とごっちゃになっているのかもしれない。

そして今日。アンドレアから電話がかかってきた。「あのさ、荒川選手って24歳になったばかりなんでしょ?さっきRAI2で、25歳って発表してたよ。間違いだよねぇ?」はい、間違いです。おいおい、昨日は16歳、今日は25歳。相手は金メダリストにもかかわらず、何もあっていない。(同じ放送局である)間違いを訂正することも謝罪することも、当然ながらない。これでこそイタリア。

興味本位で、イタリアのインターネットサイトを少し調べてみた。やはり、荒川選手を16歳としているページが何と多いことか。いやはや全く驚くべき事実である。

ちなみに。イタリアジンの友達にヒアリングしたところによると、村主は実年齢よりも10歳くらい若く見えるらしい。え?じゃあ15歳?まあそれは極端だが、少なくとも10代に見えるとか。一方で安藤選手は大人っぽくてとても10代には見えないそうである。通常若く見られるニッポンジンとしては珍しいことだ。ちなみに昨日のイタリア新聞記事で、「今回のフィギュアの転倒女王」と多少皮肉ったようなからかったような内容で取り上げられていたのはニッポンの安藤選手だった。ニッポンでは「世界で唯一4回転ジャンプを成功させられる」として名を広めた彼女であるが、オリンピック開催地のイタリアでさえそんな事情はあまり知られていないようだ。そんなものなのか?ま、イタリアには氷上のアンジェロ(天使)と呼ばれる、カロリーナ・コストナーというアイドル選手がいるのだから無理もないか・・・

それにしても今回イタリアでのフィギュア報道に関して、非常に遺憾なのは、どの新聞もインターネットサイトも荒川選手の金メダルを「SORPRESA!(びっくり!)」と表現していることである。我々ニッポンジンからしてみれば、試合内容を見ればびっくりどころか「順当・妥当」である。コーエンが尻もちをつかなくたって、メダルは荒川だったに違いない。何がSORPRESAだ。・・・あ、でもそりゃそうか。荒川選手が16歳だと思っているわけだから、そりゃびっくりだよな。