SEGAFREDO ZANETTIのエスプレッソ

barmariko2005-12-10


ニッポンでも首都圏を中心に店を構える、イタリアン・バール「SEGAFREDO ZANETTI(セガフレド・ザネッティ)」。ここのカフェ(エスプレッソ)はなかなか侮れない。東京で名高いイタリアンでご飯を食べても、最後に出てくるカフェが薄くて不味いとはよくあることで、それならセガフレドの250円カフェのほうが、はるかに美味しい。

ニッポンに留学したことのあるイタリア人友達が口を揃えて言う。「ニッポンではイタリアのエスプレッソの味が出せないんだ。同じマシーン(あの直火手動タイプのもの)と粉を持ってきているのに、やっぱり水が違うからかなあ」確かにカフェを淹れるとき、「水」はその味を決めるといってもいいほど重要である。ましてやニッポンとヨーロッパでは、軟水と硬水というまるで正反対の水が主流なのだから、仕方がない。その水の違いがありながら、ニッポンのセガフレドであれだけの味を維持しているというのは、偉業だろう。

東京で働いているとき、恋しくなるのはランチ後のエスプレッソ。バールで働いていたせいもあるだろうが、イタリアでは1日に2杯は必ずカフェを飲んでいた。ランチ後は当たり前。これがないと、どうも眠くなって仕方ない。それから夜23時、パブへ働きに行くとき。必ずカフェを1杯腹におさめ、シャキッと眠気を覚まして渇をいれる。そうだ、朝目覚めのカフェも忘れがたい。

ということで、今もわたくしはお昼の後や午後眠いとき、セガフレドにお世話になりっぱなしである。会社のビルに実はスタバもあるのだが、スタバに行こうと思ったことはない。そもそもエスプレッソの味が違うから、カフェ・ラッテの味もまるで違う。好みもあるが、わたくしにとってスタバのカフェは薄すぎて物足りない。まあシアトル系とイタリア系ということで、コンセプトが全く違うのだから仕方ないか。
ペルージャのバールでエスプレッソは約0.7〜1ユーロ(100〜140円)である。一見安く感じるが、実はそうでもない。イタリア人の平均所得が毎月1000ユーロ(約14万)と、ニッポンの約半分であることを考えると・・・イタリア人にとっての1ユーロは、我々にとっての2ユーロ(約280円)であるから、あれ?ニッポンのセガフレドでエスプレッソ1杯250円というのは実は超妥当なのである。

セガフレドの凄いところは、バリスタの腕でもある。正直言って、イタリアのチンケなバールよりもよっぽど美味しいカフェを淹れてくれる。勿論、間違いなくあのペルージャのバール・アルベルトのカフェより数段上である。味もクリーミーさも香りも。適度な渋みと酸味のバランスも。全くニッポンジンは凄い。FC展開しているセガフレドの一バリスタ、おそらくアルバイトだろう年齢もまだ若い、彼らの作るカフェが、イタリアはペルージャで育ち、バールを開いた父親とともにバールで生きてきたアルベルトさんよりのそれよりも、美味しいのだ。

セガフレドのカプチーノカフェラッテも、きめ細かい牛乳が素晴らしい。これくらいの技術があれば、イタリアのバールで間違いなくやっていける。わたくしが言うのだから絶対である(笑)。さらに、セガフレドでエスプレッソを頼むと小さなチョコレートが1枚付いてくる。こういう気の利かせ方も、バール・アルベルトでは見られないことである。

セガフレドを褒めたいのか、バール・アルベルトを落としたいのかよく分からなくなってきたが・・・「セガフレドのエスプレッソは美味しい」ということで締めたい。あ、不満があるとすれば、店員が妙に馴れ馴れしいことである。FCだから接客マニュアルがあるのだろうが、「イタリア風に。楽しく。お客様にも話しかけて。笑顔で。」といったところかもしれない。夜19時ごろにカフェを飲みにいくと「残業ですか?大変ですね」と全く知らない店員から声をかけられる。これ、イタリア風なんだろうか。ちょっと無理があるような・・・