イタリアのスーパーⅡ

IL SUPERMERCATO IN ITALIA Ⅱ

さて、第二の特徴「野菜・果物が量り売り」であることについてだが、これは本当に便利である。ニッポンでも是非導入すべきである。生鮮食品売り場には、「量り」「ビニール袋」「ビニール製手袋」が並ぶ。客はまずこのビニール袋とビニール製手袋をとり、好きな野菜や果物を好きなだけ詰め込む。そして、量りのところへ行き、自分のとってきた野菜をのせて重さを量るのである。

しかしこれが一体いくらになるのか、どうやって把握するのか?野菜や果物の値札には、値段だけでなく商品番号がついている。例えば「ほうれん草 72」「プチトマト15」「バナナ 24」といったように。一方量りには、番号の書かれたボタンがついている。つまり、ほうれん草を欲しいだけ詰め込んで量りにのせ、72番とかいてあるボタンを押すと、キロ当たりほうれん草価格で計算した「バーコード付き値段シール」がピュッと出てくるようになっているのだ。そのシールを、ビニール袋に貼ってレジへ持っていけばよいのである。

ニッポンのお肉屋さんのようなものだが、大きく違うのはその作業を消費者が個々でやるということだ。そして当然ながら、独り暮らしには非常に便利である。ナス1本、ズッキーニ1本、トマト1個と単品で買っても誰も文句は言わない。バナナも一房で多いようなら、2本くらいで構わない。ニッポンのように無理矢理3本セットになっていることは、まずない。更にニッポンの場合、1個だと70円なのに、3個だと180円になっている、など少々いやらしい商品戦略があったりする。イタリアの場合、非常に公平である。量った分だけ払うのである。量が3倍なら、値段も3倍である。

ニッポンにもこの量り売りサービスがあったらいいのに。東京都内など独り暮らし人口が多い地域でもその威力は発揮されるであろう。そもそもニッポンのスーパーは過保護すぎる。2個のトマトがお行儀良く白いプラスティックトレーにのせられ、ラップ地で封した状態で販売されている。プリーツレタスもサニーレタスも、ビニールで包装されている。わたくしの母は、「プラスティックゴミが異様に増えてきているのに驚く」と言う。

またニッポンの場合「ブロッコリー1房198円」とあっても、その大きさは勿論まちまちである。だから消費者は、少しでも大きいものを探そうとやっきになり、素手でベタベタ触る。イタリアではそんな苦労はない。大きさに値段は100%比例するのだから。

ところで、チェーンスーパーの生鮮食品売り場でも、素手で野菜や果物を触ることは、イタリアにおいてNGである。先ほど述べたように、必ずビニール製の手袋が置いてあり、素手でベタベタ触ろうものなら、店のスタッフに注意されたりもする。

スーパーに関して言えば、イタリアのほうがわたくし好みである。