赤インゲン豆とパンチェッタのオレキエッテ・ローズマリー風味

barmariko2005-05-05

LE ORECHIETTE CON I FAGIOLI ROSSI E LA PANCETTA AL ROSMALINO
以前もちらっと紹介したことがあるこのパスタ、写真を撮ったので改めてご紹介しよう。このレシピは南イタリアのプーリア州郷土料理である。教えてくれたのは勿論プーリア州出身の友人アンドレアだ。

そもそもオレキエッテとは「耳たぶ・小さい耳」という意味のショートパスタで、プーリアが発祥の地と言われている。アンドレアはプーリアの実家に帰省するたびにマンマ手作りのこのオレッキエッテを山のように持ち帰ってくる。そして必ず作るのがこのパスタなのだ。原材料はデュラム小麦100%と水だけで、練る、成型する、乾燥させるという三工程で作られる。一度に10キロ近くのオレキエッテを作るマンマ、そのうち2キロはアンドレアに、4キロは同じく独り暮らしをする長男と三男に持たせてやるのだ。「生地さえ作ってしまえば簡単。あとは親戚のおばちゃんが集まってお喋りしながら成型するんだよ。1個につき、そうだなあ・・・2,3秒じゃないのかなあ。考えて作っちゃ駄目なんだ。」とアンドレアは言うが、その域に達するまでには相当な経験が必要だろう。
さて早速レシピの紹介をしよう。

(2人分材料)オレキエッテ160g、乾燥赤インゲン豆カップ1杯(水煮缶があれば1缶)、パンチェッタ50g(なければベーコン)、玉葱4分の1個、乾燥ローズマリー少々

  1. 赤インゲン豆を用意する。水煮缶があれば水を切って1缶丸ごと使う。乾燥なら1晩水に漬けて戻しておく。
  2. 鍋にオリーブオイルを入れ、細かく切った玉葱(微塵切りにする必要はない、荒めでOK)と鷹の爪を入れてじっくり炒める。パンチェッタとローズマリーを加えさらに炒める。
  3. 赤インゲン豆を加える。しばらく炒めたら50CC〜100CCの水を加え豆が柔らかくなるまで煮て火を止める。(水の量は調節して)
  4. 茹で上がったオレキエッテを加え、よく混ぜる。
  5. 皿に盛り、食べる直前にオリーブオイルをたらして(重要)出来上がり。

お豆とローズマリーの絶妙なハーモニーが新鮮である。パンチェッタなしで豆だけで作っても十分美味しい。その場合は塩気が足りないので塩を多めに加えよう。南イタリアのプーリアを色濃く表すパスタであるが、こういうレシピこそわたくしが求めるイタリアの味だ。初めてイタリア旅行をしたときやイタリアに住んでまだまもない頃、目新しさから生クリームやチーズたっぷりのパスタばかり食べていたが、やはり重たいのである。カロリーは高いしこってりした味は途中で飽きてしまう。勿論美味しいのだがたまに食べるくらいが丁度良い。

それにしてもこの手作りオレキエッテ、封を開けた瞬間に生パスタならではの香りが漂う。小麦粉と水だけなのに何と言う不思議。「生でも食べられるんだよ。ほら、甘いだろ?」とアンドレア。マンマが親戚のおばちゃんが皆でお喋りしながら作る、そんなシーンが垣間見える手作りオレキエッテである。