マッシュルームとプチトマトの爽やかリゾット
IL RISOTTO CON I FUNGHI E I POMODORINI
リゾットが難しいと思っている方は多いだろう。イタリアへ来る前わたくしもそうだった。パスタ以上に特別な料理のような気がしていたし、イタリアンを食べる機会があったら迷わずリゾットを選んだりしていた。しかし、イタリアにおけるリゾットは家庭料理そのものである。特にわたくしが友人から教わったり、イタリアの料理雑誌で見つけたレシピなどはシンプルで原価もかからず、大量にどーんと出来る手軽なものだ。間違ってもポルチーニ茸やズッキーニの花といった食材を使うものではなく、冷蔵庫に余っているもので十分作ることができるのだ。
例えばこんな感じ。
- ズッキーニのリゾット
- ほうれん草とプチトマトのリゾット
- ニンジンと玉葱のリゾット
- マッシュルームのリゾット
これらの材料は非常に応用がきき、どれをどう組み合わせても美味しく出来る。個人的にはプチトマトを入れるのが好きで好きでたまらない。フレッシュ感が最高である。さて、最後にパルミジャーノ・チーズを加えるかどうか、これは好みであって決まりはない。一般的にイタリア人はチーズ好きであるから、火を止める間際にたっぷりのチーズを加えることが多いが、わたくしの友人アンドレアやジュセッペは殆ど入れない。チーズを入れると確かに風味が増して美味しいのだがそれだけカロリーもあるし、野菜の甘みだけでも十分食べられる。
イタリアでもリストランテやトラットリアで食べるリゾットには、パルミジャーノ・チーズ以外にも大量のバターが入ることが多い。北イタリアのヴェローナのリストランテで修行をしていたわたくしの友人もそう言っていた。やはり外食というのはカロリーが高くなるものなのだ。
前置きはともかく(長いぞ)レシピを紹介しよう。
マッシュルームとプチトマトの爽やかリゾット
(2人分材料)米カップ1、マッシュルーム1パック、プチトマト1パック、ニンニク1かけ、洋風スープの素、パルミジャーノ・チーズ(好みで)
- マッシュルームは薄くスライスし、プチトマトは縦2つに切る。ニンニクは半分に切る。
- 洋風スープの素を薄めに鍋に作っておく。(0.5リットルくらい)
- フライパンにニンニクとオリーブオイルを入れゆっくり火にかける。(絶対に焦がさない)
- マッシュルームを加えよく炒めてから、白ワインを大さじ1加える。水分がなくなるまでよく炒める。
- プチトマトを加え同じように炒め、最後に洗っていない米を加えてよく混ぜる。
- 別に作っておいた洋風スープをおたまで少しずつ加え、焦がさないように常に混ぜる。加えては混ぜる、この繰り返しでアルデンテになるまで続ける。(目安20分くらい)
- 最後にすりおろしたパルミジャーノ・チーズを大さじ3ほど加え、よく混ぜる。塩で味を調えて出来上がり。
ポイントは「米は洗わない」「スープは一度に入れず、おたまで少しずつ加える」「常に混ぜる」である。これさえ守れば本当に簡単なのだ。下ごしらえの時間を入れても30分あれば出来てしまう。
イタリアではこの「洋風スープの素」を非常によく使う。ミネストローネや肉の煮込み、リゾットと家庭料理では大活躍である。ニッポンの出汁に相当するのだ。「野菜ブイヨン」「チキンブイヨン」「魚介ブイヨン」など種類も色々あるのだが一般的に使い勝手がよいのは「野菜ブイヨン」とされる。リゾットに使うのは勿論これである。がしかし、無ければ勿論チキンブイヨンで構わない。但し日本の市販ブイヨンは味が濃いので薄めにすることがポイント。時間があるようなら、セロリやニンジン、パセリなどの香味野菜でとった手作りブイヨンを使ってはいかが?さあ、今日から意外と簡単に始まるリゾット生活。