だから投げるなって

NON BUTTARE IL PASSAPORTO!!

夜19時。まったく最悪な(いつもと同じの)イタリア入国。珍しく荷物が早く出てきても、入国審査で15分しか待たされなくても、あの、パスポートを投げてよこす瞬間、わたくしの脳みそに怒りのスイッチが入る。「次の方どうぞ」という掛け声などもちろんなく、くいっと顎をしゃくって「こいよ」とばかりに合図する。その間一言もない。かったるそうな仕事ぶり。こちらが「ボナセーラ(こんばんは)」と下手に出ても、「・・・」当然挨拶すら反ってこない。挙げ句の果てにチェックしたパスポートを投げてよこす。ひどいやつは、煙草を吸いながらの作業である。

ま。無事入国したわけで、こいつらのせいでわたくしの貴重なバカンスが汚されることなど許されない。忘れよう。何ていったっていつものことなんだし。むしろこれがないとイタリアにやってきた気がしない。

空港でペルージャ行きの電車を調べた。窓口のおじさんが、「20時20分発の電車にのれば、ティブルティーナ駅経由でペルージャ行きがあるよ。これに乗り遅れると、ずいぶん遠回りして夜中1時過ぎにつく最終電車になってしまうから気をつけて。いいかい、20時20分だよ、まだあと1時間近くあるけどね、これが一番スムーズだよ。3番線だよ!」「ありがとう」しかしこれがそもそもの誤報だった。

いわれたとおりに20時20分の電車にのってティブルティーナに着くと・・・ペルージャ行きなどないではないか。やられた。自分できちんと調べておくべきだった。結局その日はローマ・ティブルティーナ駅近くに宿をとり、無駄な宿泊費を使うことに。

まったく何年イタリアに住んでも、ちょっと油断をしたすきに、いろんな目にあうのだ。