ナオミ・ジュースィー 

barmariko2005-05-07

CARA NAOMY GIUSY
わたくしの美しい美しいお友達、それがナオミ・ジュースィーだ。(写真左、彼氏のマッテオと一緒に)ナオミは日本名、ジュースィーはイタリア名、そう彼女はハーフである。お母さんが日本人、お父さんがイタリア人なのだ。

「ナオミ知ってる?わたしの友達なんだけど・・・」とついつい自慢したくなるような美貌の持ち主であり、この美しさに我々ニッポンの血が入っているということを全イタリア人にアピールしたくなるような存在である。勿論外見だけでなく内面の美しさはもっと素敵である。ああ、マテオは何て幸せ者なんだろう。

彼女のお母さんは今から30年以上前、ここペルージャ外国人大学で勉強し、そしてイタリア人のお父さんと恋に落ち結婚したのである。(そんな素晴らしい可能性がペルージャにも落っこちているとは・・・)その後お父さんの実家南イタリアカラブリア州へ引越して子供も3人生まれた。ナオミはその末っ子で他に2人のお兄さんがいる。

ナオミは日本語が全く分からない。お母さんが日本人とはいえ、イタリアで生まれイタリアで育っているからだ。しかしわたしから見れば普通のイタリア人の女の子と全然違う。何がってその美貌もそうだが、性格がである。日本人とイタリア人の良いところだけを合わせたような人なのだ。
例えば絶対に声を荒げない。一般的にイタリア人の女の子は怒ると凄い。声を荒げ、怒鳴り、早口でまくしたてる。公衆の面前だろうがなんだろうが怒ったら怒る。(観客が多いほどノってくるような節がある)。まあこれは勿論イタリア人男性にも言えることでもはや国民性なのだろうが、それにしても大勢の前で大喧嘩をするのは日本人的には勇気のいることである。ナオミは必要時には怒る。しかし怒鳴らない。感情的にならず言いたいことははっきり伝える。

あるとき、わたくしが2年ほど働いていたパブ「ダウンタウン」で彼女も働きだした。初仕事の翌日、彼女はすぐわたくしに電話をしてきた。「聞いてくれる?昨日ひどかったのよ、カラマン(ダウンタウンのオーナーであるトルコ人)。カメリエラを何だと思ってるのかしら?働いてほしいって頼まれたから働いているのよ。あんな態度でいるなら、もう二度と働きたくない。」「何があったの?でもカラマンが最低な奴だってことは皆百も承知だから」「何がってね、威圧的で人を中傷してばっかり。こっちが何か質問してもあしらわれるし、その反面いつもカメリエラを監視してて、何かあるとすぐに”おい、こっちこい”とか”やれ”とか命令形ばかり。頭きた。」「いつもそうなのよ、彼は。で、どうしたの?」「うん、そう言ったよ。」「え?直接?」「うん。あなたの今日の態度は本当にひどかった、わたしは今怒っている、って。そういう態度を続けるならもう働かないって言った。その日仕事が終わるまで彼とは一言も口聞かなかったの。」

す、凄い。たかがアルバイトとはいえ、純ニッポンジンの女の子なら我慢して何も言わないだろう。初日であるし、相手は店のオーナーなのだから。しかしイタリア人の女の子は違う。言いたいことがあったらバリバリ言うが、それは時にヒートアップして大変感情的になることもある。ナオミは半分日本人で半分イタリア人だから、言いたいことはハッキリ伝えるが、至って冷静なのだ。可愛らしい顔で淡々と抗議する彼女の姿が目に浮かぶ。

ナオミは早口なイタリア人が多い中でとてもゆっくり話す。それは彼女のおっとりした性格なのだろうと思っていたが、ある時普段は南イタリアに住んでいらっしゃるナオミのお母さんがペルージャへやってきてランチに招待して下さったとき、わたくしは気づいた。ナオミがゆっくり話すのは、お母さんが日本人だからなのだ。ランチの席には二人のお兄さんもいたのだが、全員が全員ゆっくり尚且つ低いトーンで話していて、そしてそれはナオミのお母さんの話し方に瓜二つだった。ゆっくり、言葉を選んで。

わたくしの回りでナオミを知る日本人はみな口を揃えてこう言う。「絶対100%イタリア人じゃないっていうのが分かる!」「やっぱりな、母親が日本人かイタリア人か、って子供の人格形成に大きな影響を及ぼすと思うよ。」・・・我々ニッポンジンも結構勝手な物言いをするものである。いや、でもそうだよなあ・・・ナオミは特別なのだ。ナオミ万歳!