バール・フランコのアーティスティック・カッフェ

barmariko2006-02-15

IL CAFFE' MACCHIATO ARTISTICO AL BAR FRANCO

大学前のバール・フランコへ寄ってみた。イタリアへ戻ってきたら、そりゃはずせないのがここのカッフェだ。一時期働いていたわたくしがそう言うのだから間違いない。店構えはお世辞にもよいとは言えないし、おしゃれなタッツァ(カップ)もないが味は一品。ミルクをいれずにノーマルなカッフェ(=エスプレッソ)を一口飲めばすぐ分かる。

バール・フランコの顔、といえばやはりアーティスティックなカッフェを淹れるジュセッペだろう。(アンドレアの親友ジュセッペではない。イタリアには同じ名前が溢れているので。)カウンター越しに連発する歯が浮くようなお世辞(本人はお世辞じゃないと言い張るが)と、空気を読まない発言が、いつもみんなにからかわれているのだが、彼の創るカッフェは芸術である。

しかし今回わたくしは(うっ、ごめんなさい)、普通のノーマルな、アーティスティックじゃないカッフェ・マッキアートが飲みたかったのだ。ぐいっと一口で飲みたかったのだ。何だか、そういう気分だったのだ。とはいえ久しぶりに帰ってきたわたくしにサービスしてくれたわけで、「相変わらず美しいね!いやぁ〜このカッフェ・マッキアートが飲みたかったのよ」と、本来の欲望を揉み消しつつ笑顔でお礼を言う。

さてここで、カッフェ・マッキアート講座を少々。ニッポンのセガフレドにもあるこのカッフェ・マッキアートは、イタリアの超定番なエスプレッソの飲み方である。ノーマルなエスプレッソ(30cc)にミルクを少々たらすだけ。ちなみにリストランテで食後のカプチーノは許されないが、カッフェ・マッキアートならOKである。エスプレッソだけではちょっと強いかも・・・というときにお勧めな飲み方だ。

ここでエスプレッソにたらすミルクは、カプチーノのように少し泡立てたものじゃないと駄目、という説があるがそれは嘘である。とはいえ注文時に何も言わなければ、カプチーノ用に泡立てたミルクをたらすのが普通なのだが、ここはイタリア。こだわりと薀蓄の国。イタリアジンはバールでこのカッフェ・マッキアートに加えるミルクもいちいち指定してくることが多い。というか普通だ。「LATTE CALDO=温かいミルク」「LATTE CALDO CON SCUMA=温かく泡立てたミルク」「LATTE FREDDO=冷たいミルク」といろんなタイプがあるのだ。

それから。イタリアのバールでは、カッフェ(=エスプレッソ)も、カッフェ・マッキアートも値段は必ず一緒である。ミルクをひとたらしするくらいで、値段は吊り上げない。何しろ本当にひとたらし、そう5ccくらいじゃないか?お願いです、ニッポンのカフェバールさん方。ミルクくらいで値段を上げてしまうのは、ちょっとセコイ。イタリアの真似をしろというわけじゃなくて、それってパンのバターでお金をとるくらい格好悪い。

※これまでのバール・フランコ関連はこちらをどうぞ。
フランコさん、ドラッグ漬けオトコを優しく諭すの巻
今更ながら、カプチーノ物語